袴を着用する際、草履ではなくブーツにしたいと考えている方も多いでしょう。最近では、袴にブーツを合わせるスタイルが定番化しつつあります。しかし、ブーツのメリットやデメリット、選び方のポイントなどを理解しておくことが大切です。そこで本記事では、袴にブーツを合わせるメリットとデメリットを解説します。
袴にブーツを合わせるメリット
袴とブーツの組み合わせは、伝統的なスタイルと現代的なファッションの融合となり、現代的でおしゃれなきこなしに見せられます。では、具体的にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
まず、普段から履き慣れているブーツは、袴を着る際も便利であることがメリットです。日常生活でよく履いているブーツなら、歩きやすく、身軽でいられるため、卒業式などで長時間履いていても快適に過ごせます。草履は見た目が美しく、格式が高いものの、慣れない履き心地で足が痛くなることも少なくありません。しかし、ブーツを合わせることで、足の痛みによる心配を解消できます。
次に、ブーツにはヒールが付いているものが多く、足を長く、スラリと見せてくれる効果があることもメリットです。袴の下に隠れるものの、ヒールありのブーツ履いておくことで、全体のバランスを良くし、より美しい着姿を演出できます。
また、ブーツは足首よりも上まで覆ってくれるため、寒い日の着用にも適しています。とくに、卒業式シーズンは寒い日が多いため、足首が隠れるブーツは、足元を温かく保ち、寒さを感じにくくしてくれます。
さらに、寒さだけでなく雨や雪の日にも、ブーツは有効です。足が濡れにくく、水が浸み込みにくいため、悪天候でも足元を快適な状態を保てます。そのほか、ブーツは卒業式の日だけでなく、卒業式が終わった後も、日常生活で再利用できることもメリットでしょう。
草履は一度きりの使用になることが多いですが、ブーツなら普段使いしやすいため、コストパフォーマンスにも優れています。このように、袴にブーツを合わせることは、おしゃれであるだけでなく、機能面などでもさまざまなメリットがあります。
袴にブーツを合わせるデメリット
袴とブーツの組み合わせは、現代的なおしゃれ感を演出できる一方で、いくつかデメリットもあります。まず、袴に使用される草履と比較すると、ブーツは脱ぎ履きに時間がかかるというデメリットがあります。ブーツによっては紐を結んだり解いたりする必要があり、それが面倒に感じられることがあるでしょう。卒業式やその後の懇親会、トイレなどで頻繁に靴を脱いだり履いたりする必要がある場合、脱ぎ履きに手間がかかるのはデメリットであるといえます。
次に、袴とブーツの組み合わせは、選ぶアイテムによってはカジュアルな印象を与えてしまう可能性があることもデメリットです。着物や袴の柄が格式高いものや、非常に伝統的なスタイルである場合、カジュアルなブーツを合わせるとスタイル全体のバランスが悪くなり、不釣り合いな印象を与える恐れがあります。伝統的な和装には、それに合った靴選びが求められるため、どの袴にブーツを合わせるかは慎重に検討する必要があります。
袴とマッチするブーツ選びのポイント
では、袴に合うブーツを選ぶ際の重要なポイントを見ていきましょう。まず、袴を合わせるブーツ選びでは、袴の丈に注意しましょう。袴をくるぶし当たりに合わせてやや短めに着つけると、ブーツとのバランスが取りやすく、全体的にきれいに見えます。この際、袴がブーツにぴったりと収まり、すっきりとしたラインを作ることが大切です。
次に、ブーツの筒高が約14cmから20cmくらいのブーツを選ぶのもポイントです。筒高が約14cmから20cmくらいのブーツはほどよく足首が隠れるため、スマートで整った印象を与えます。足首が見えないデザインを選ぶことで、和装のフォーマル感を保ちつつ、現代的な感覚を取り入れることができます。
また、足首が絞ってある、細身でスタイリッシュなデザインのブーツを選ぶと、足元がすっきり見え、全体のスタイルをよく見せるのでおすすめです。そのほか、ヒールの高さにもこだわりましょう。ヒールは5cmから8cm程度のものを選ぶと、上品で清潔感のある印象を与え、同時に歩きやすさも確保できます。高すぎず、ひくすぎない適度な高さのヒールは、姿勢を美しく見せる効果もあります。
最後に、色選びにも注意しましょう。自分の袴スタイルに似合う色を選ぶことで、全体のコーディネートとのバランスがよくなります。
まとめ
袴にブーツを合わせるスタイルは、快適さとファッション性を兼ね備えており、人気のスタイリングです。ブーツは歩きやすく、普段のアイテムとも合わせやすい、足を長く見せる効果がある、寒さ・濡れから守ってくれるなど、さまざまなメリットがあります。しかし、脱ぎ履きの手間がかかる、カジュアルな印象になりやすいといったデメリットもあります。適切なブーツを選ぶために、袴の丈に合わせた筒高、スリムでスタイリッシュなデザイン、適度なヒールの高さ、袴スタイルにマッチする色を選ぶなどのポイントを意識しましょう。