袴は、日本の伝統的な衣装であり、卒業式などの特別な行事で着用されます。しかし、着こなしには、しっかりとしたサイズ選びや入念な調整が必要です。この記事では、袴の丈の選び方や測り方、調整方法について詳しく解説しているので参考にしてください。知っておくと、特別なハレの日に、うつくしいシルエットを手に入れられるでしょう。
袴の丈とは
袴は、和装のスカートのようなもので、主に振袖を着る際に合わせる着物です。袴を身につける際には、洋服と同様にサイズ選びが重要になります。サイズがあっていないと、スタイルが悪く見えるだけではなく、動くとずり落ちてしまう可能性もあり、せっかくの特別な日が台無しになってしまいかねません。
しっかりと採寸し、適切な丈を知っておきましょう。採寸する際には、まず、袴スタイルの上半身に合わせる振袖のサイズ計測が必要です。その際に重要なのが裄丈(ゆきたけ)で、首の付け根から手首までの長さを測ります。
そして、袴丈(はかまたけ)は袴のプリーツが始まる部分から、裾までの長さを計測します。くるぶしあたりから足首が隠れない程度が基準であり、歩行時に裾が床に触れないようにするためのものです。
なお、袴丈は、帯紐の長さを含まないことに注意しましょう。これらの丈をしっかりと採寸しておくことで、袴を身につけた際のスタイリッシュな着こなしが実現するのです。
袴を着こなすためのサイズの選び方
袴を着こなすためには、正しいサイズ選びが重要です。まずは、袴のサイズを決定するために、裄丈や袴丈、ヒップサイズなどの採寸方法を詳しく知っておきましょう。
裄丈
腕を下斜め45度に伸ばし、うなじの中心から手首までの長さを、柔軟なメジャーで測定します。小学生や中学生の場合でも、裄丈が64センチ以上あれば、大人用の袴を選ぶとよいでしょう。
袴丈
袴のプリーツが始まる部分から、裾までの長さを測定します。袴の帯を留める位置がアンダーバストの5センチ下くらいの胸の下あたりなので、アンダーバスト下5センチから足元までの長さを測りましょう。
注意すべき点は、草履かブーツで似合う袴丈が変わるということです。草履の場合は、アンダーバスト下5センチからくるぶしのあたりを目安とします。146センチから150センチの身長なら、袴丈は90センチから95センチが適切です。
一方、ブーツの場合は足首より3センチほど短めの袴丈に設定するのがおすすめ。ブーツを履くと足元に抜け感が生まれ、スマートな着こなしになるでしょう。
ヒップサイズ
ヒップサイズはお尻が一番突き出ている部分で測定し、適切なサイズを選ぶことで、シルエットがすっきりと見えます。袴には標準サイズとワイドサイズがあり、ヒップサイズが98センチ以上なら、ワイドサイズを選ぶと着こなしやすくなり、おすすめです。
振袖袴と二尺袖袴
振袖袴は袖丈100センチ程度の中振袖を合わせ、華やかな印象を演出するものです。一方、二尺袖袴は袖が短いため動きやすく、卒業式などのイベントに適しています。自分の好みのスタイルやシーンに合わせて、振袖袴か二尺袖袴かを選ぶとよいでしょう。
袴のサイズを調整するポイント
適切なサイズ計測により、袴の丈は決定します。しかし、実際に袴を用意すると、サイズがぴったり合わない場合もあるでしょう。その際には、肩、腰、帯の位置でサイズを調整してから、着ることをおすすめします。ここでは、袴のサイズ調整の方法を詳しく紹介しましょう。
裄丈
振袖の裄丈が長すぎる場合には、肩上げと呼ばれる方法で調整します。肩幅の中間地点に生地を折り込んで上げ山を作り、内側のラインを縫って縮めるのです。しかし、肩上げは難しい作業なので、自前で実施すると見栄えやバランスがうまく仕上がらないでしょう。
慣れていない人は、プロに依頼することをおすすめします。
身丈
ブーツを履く場合に袴丈が短いと、振袖の身丈が見えてしまうことがあります。この場合は、腰上げと呼ばれる方法で調整しましょう。振袖の腰の部分を水平につまみ上げて縫ったり、腰紐で縛ったりして調整するのが一般的です。
腰部分は袴で隠れるので、それほど見栄えに影響せず、肩上げよりも比較的簡単に調整できるでしょう。
袴丈
袴の長さが合わない場合は、まずは帯の位置を調整してみましょう。袴の帯は、アンダーバストの下5センチを目安として締めるのが一般的ですが、袴丈が短すぎる場合には少し下にずらして着付けます。
一方、長すぎる場合には単に袴を上げて締めるだけではなく、ブーツのヒールを高くしたり、草履ではなくブーツを選んだりするなどの調整方法も検討することをおすすめします。帯の位置が適切だとバランスがよく、映えるため、可能な限り基本の位置にするのがよいからです。
帯の位置変更は全体のバランスも大きく変えてしまうため、履物の変更で合わせていきましょう。
まとめ
袴を着用する際には、サイズの選び方や調整方法が重要です。裄丈や袴丈をしっかりと計測し、さまざまなポイントを押さえて、自分にぴったりの袴を着こなしましょう。万が一、計測結果がフィットしない場合でも、肩や腰、帯の位置、履物を変更・調整することで、着こなしをうつくしく整えられます。
卒業式などの特別な日に、袴の魅力を最大限に引き出すためには、サイズの選び方と調整方法を理解しておくことが大切です。