袴といえば明治・大正時代に生まれた女学校の制服です。現在の学校制服でいえば、セーラー服やブレザーのような存在といえるでしょう。そんな袴が現在も卒業式シーズンになると「晴れ姿」として選ばれているのは、袴に女性の魅力を引き立てる強力な力があるからかもしれません。今回はそんな袴のレンタル方法についてご紹介します。
店舗でレンタルするメリット・デメリット
卒業式は袴で決めたいと考える女子大生は少なくないでしょう。大学や専門学校の卒業式で女性が袴を着て出席する割合は、なんと8~9割といわれています。袴といえば明治・大正時代に登場したお嬢様学校の制服です。
当時しっかりと教育を受けられる女性は少なく、それだけに袴を着る女性の、賢さや凛々しさ、美しさといったイメージが、同じ女性にとっても「憧れ」として残り、現代に引き継がれているのかもしれません。
卒業式で着る袴は「女袴」と呼ばれる特別な袴です。男性用の袴とことなって股布がないため、ロングスカートのような形状で、見栄えが美しいのが特徴です。外見のよさだけではなく、裾や帯が乱れにくく、動きやすく、歩いても前がはだけることもないので、機能性も兼ねた衣裳といえます。
とはいえ、現代ではさらに機能性の高い「洋服」が一般的な着物として定着していることもあり、普段着として袴を着ることはほぼありません。卒業式で一度だけ袴を着るというのであれば、わざわざ高額な袴を購入する必要もなく、レンタルで済ませるのが経済的でしょう。
袴のレンタルには2つの選択肢があります。実店舗とネットショップです。ここではまず、実店舗で袴をレンタルするメリット・デメリットについてご紹介します。実店舗で袴をレンタルする特典は、なんといっても実物を目で見たり、手で触ったりできることでしょう。
現物が目の前にあれば、袴の色合いや模様などを、あらゆる角度から確認できるうえ、手に取ることで袴の厚みや質感といった素材の具合をチェックできます。試着もできるうえ、必要であれば今すぐ使うことだって可能です。また、着付けやヘアセットも店舗で対応してくれること、衣装の返却時は手間が不要であることもメリットといえるでしょう。
実店舗のデメリットは、自宅や会場から遠い店舗であれば移動時間がかかることや、返却に時間がかかることが挙げられます。また、店舗が混雑している場合、待ち時間がかかってしまうこと、希望する袴を取り扱っていない可能性もあること、時期によっては人気の商品はほとんど予約済みとなってしまい選択肢が限られてしまうことなどが挙げられます。
ネットでレンタルするメリット・デメリット
ネットでレンタルするメリットとして、レンタル料金が安めに設定されていることが挙げられます。取り扱っている衣装が豊富で、多くの選択肢の中から選べることも魅力です。
また、わざわざお店に足を運ぶ必要がないということもメリットです。実店舗に訪問するとなれば、それなりにまとまった時間を用意し、予約や移動の手間がかかるので、就活やバイトなどスケジュールが立て込んでいる人にとってはハードルが高いものです。
コミュニケーションが不得意な人にとっては、店員とのやりとりに心労がたまってしまうこともあるでしょう。その点、ネットレンタルであれば自宅や出先など、好きな場所・好きなタイミングで気軽に袴を探したりレンタルしたりできます。
一方ネットレンタルのデメリットは、届くまで実物が分からないことです。試着のためにレンタル袴を送ってくれるサービスは少ないため、自分の体に合うかどうか、届いて初めて確認することになります。袴だけでなくブーツや草履などの履物についても同様です。
ネットレンタルの場合、決まった角度から撮影された少ない写真から判断しなくてはなりません。写真やモニターによっては、実物と色味が異なって表示されることもあり、実際に手元に届いてみると「あれ?ちょっと色味が違う…」という違和感や「思ったよりペラペラ」というがっかり感につながることも考えられます。
また、ヘアセットや着付けのサービスは受け付けていない場合が多いため、各自で美容室などに予約を入れる必要があります。卒業式の当日に着付けやヘアセット・メイクができるショップを探す手間がかかるのもデメリットではないでしょうか。
そのほか、ネットレンタルだと衣装返却は宅配返却が一般的のため、卒業式が終了したら、自分で荷詰めをして返送の手続きをしなくてはなりません。
どちらのレンタル方法がおすすめか
ネットレンタルは時間やお金をかけず、数多くの選択肢から衣裳選びをしたい人に適しています。試着できなくても問題ないという人や、着付けやヘアセットを引き受けてくれるサロンに心当たりがある人なら、よりおすすめです。
店舗レンタルは店員さんにアドバイスを聞きながら、下見や試着などに時間を割き、じっくり衣裳選びをしたい人に向いているでしょう。とくに4~5月など早期に袴選びに時間がとれるようであれば、衣裳の選択肢も多いため、満足いく袴探しができておすすめです。
まとめ
卒業式の袴はネットレンタルと実店舗レンタルのどちらがよいか、その違いを比べました。ネットレンタルは料金が安めで品揃えがよく、時間がない人でもボタンひとつでレンタルできる手軽さ、好きな場所に配送できる小回りの利き具合が魅力です。
ただし、試着できないため実物が想定と異なるリスクがあります。店舗レンタルは返却の手間が少なく、袴の試着ができ、店舗で着付けやヘアセットも対応してくれるメリットがある一方、時期によっては予約済みが多く選択肢が限られてしまうこと、自宅やイベント会場からの距離によっては移動が困難であることが挙げられます。