袴にはさまざまな色のラインナップがあるため、卒業式などで袴を着る機会があると、どの色を選ぼうか悩んでしまう人も多いでしょう。今回は袴の色について、色ごとの意味合いや印象、自分に合った色の選び方などを詳しく解説します。卒業式を控えている人、袴選びに悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
神職から見た袴の色の意味合いとは
袴と聞くと卒業式に着る礼装であるというイメージを持つ人も少なくありませんが、袴は神主などの神職が身につける和装でもあります。神職にとって、袴の色は職位を表す要素のひとつです。ここでは、神職から見た袴に色の意味合いについて詳しく解説します。
浅黄色
浅黄色は浅葱色とも表現される色です。神職としてはもっとも若く身分が低い三級・四級の人が着る袴の色であり、緑と水色を混ぜて薄めたような色味が特徴となります。新選組の羽織をイメージすると分かりやすいでしょう。
紫色
三級・四級よりも上の位となる二級の中堅神職が身につける袴の色です。どこかフレッシュさを感じられる浅黄色とは異なり、落ち着きを感じられる色味が特徴となります。
紫色に薄紫色の文様
二級よりもひとつ上の位となる二級上の神職が身につける袴の色です。二級と同じ紫色ですが、二級上の袴には薄紫色の文様が施されているのが特徴となります。文様は八藤丸と呼ばれるものであり、神職の中でも長く勤めている宮司さんなどしか着用できない袴となっています。
紫色に白色の文様
二級上よりも上の位となる一級の神職が身につける袴の色です。二級上の宮司さんの中でもとくに神社に貢献した人のみが上がれる階級であり、全体の1%程度しかいないことで知られています。文様が白色になることから、二級上の薄紫色の文様よりもはっきりと見えるようになるのが特徴です。
白色に白色の文様
ごく一部の神職のみが上がれる特級という位の人が身につける袴の色です。特級に上がれるのは神社本庁のトップや伊勢神宮のトップなどのほんの一部の神職であり、文様は二級上・一級よりもさらに大きくなります。
白色
文様のない白色の袴は、研修中の神職や事務員が着用します。特級の袴との違いは文様の有無のみであるため注意してください。
袴の色ごとの印象を紹介
袴は色によって異なる印象を与えます。ここでは、色ごとの印象の違いについて詳しく解説します。
赤色
赤色は女の子のシンボルカラーでもありながら、主役を感じさせる色でもあるのが魅力です。ぱっと明るくインパクトが強いため、写真撮影などでも華やかで目を引く存在となれるでしょう。
青色
青色は大人の余裕や落ち着きを感じる色です。派手さはないものの清楚で品がある女性のイメージが強く、芯のある凛とした女性に見られたい場合にぴったりの色であるといえます。
緑色
緑はリラックス効果があり、組み合わせによってはモダンな雰囲気を強く感じられる色です。一見地味な色にも思えますが、大人の上品なおしゃれカラーとして人気を集めています。
黄色
黄色は明るくエネルギッシュな印象が強い色です。気分が上がる楽しげな雰囲気があり、袴の色に取り入れることで気持ちも明るくなるでしょう。
紫色
紫色はエレガントで大人なイメージがある色です。高貴さ・上品さがある一方で、女性ならではの色気も備えているという唯一無二の魅力から人気を集めています。
自分に似合う袴を選ぶコツ
袴の色を選ぶ際は、自分の好きな色・なりたいイメージに合った色を選択する人が多いですが、肌の色や髪の色から客観的に自分に似合う色を選択するのもひとつの手です。ここでは、自分に似合う袴を選ぶコツを詳しく解説します。
肌の色から選ぶ
肌が白い人は、比較的どのような色の袴でも似合いやすいです。大人っぽさを演出したい場合には紺などの濃い色を、可愛らしさを演出したい人は淡い色を選びましょう。また、肌の色が健康的でしっかりとしている人の場合は、肌がくすまないよう濃いめの色を選択するのがよいでしょう。
髪の色から選ぶ
髪色が明るく派手な印象の人は、あえて暗めの色を選んで古典的な雰囲気を演出するのがおすすめです。現代的でおしゃれな髪色に古風な雰囲気の袴を合わせることで、おしゃれモダンなコーディネートに仕上がるでしょう。
また、反対に髪色が暗い人の場合には、全体的に重たい印象にならないよう淡いパステルカラーを選択するのがおすすめです。
まとめ
今回は、袴選びのポイントとして、色別の神職から見た印象や袴の色ごとの印象に加え、自分に合った袴の選び方などを詳しく解説しました。袴は色によって印象が大きく異なります。たとえば、赤は明るく主役を感じさせる色であり、青は知的で凛とした印象を与える色です。
色ごとの印象を知っておくことで、自分のなりたいイメージに合わせた色を選べるでしょう。また、どの色の袴にしようか悩んでいる人は、肌の色や髪の色から分析して、客観的に自分に似合う色を選ぶのもひとつの手です。袴に色選びに悩んでいる人は、今回の記事をぜひ参考にしてみてください。