女子大学生の卒業式における定番の衣装と聞いて、袴を思い浮かべる人が多いでしょう。昨今は小学校の卒業式に袴を着用して参加するケースも増えており、需要は確実に高まっています。
ところで、みなさんは袴をレンタルするにあたって、どのようなアイテムを揃えればよいかご存知でしょうか。着物自体を着る機会も減っているため、着付けのために何が必要なのかわからない人も今では珍しくありません。
そこで、本記事では袴をレンタルする際に必要なアイテムを一覧にしてご紹介します。袴のレンタルを検討している人は、ぜひ最後までご覧ください。
袴レンタルの必須アイテム
それでは、袴をレンタルする際に必須のアイテムを取り上げていきます。
着物(二尺袖)
袴と合わせる着物は、袴をレンタルするにあたって必須の存在です。女性の場合は、二尺袖を選択すれば間違いありません。
二尺袖とはその名のとおり袖の長さが二尺袖、つまり約76cmの振袖です。未婚女性が着用できる礼装のなかでもカジュアルに着こなせる着物で、卒業式はもちろん、パーティーに参加する際にも着用できます。
ちなみに、袴に合わせる着物のルールやマナーは特に決まっていません。卒業式に着たい、お気に入りの着物で参加しましょう。
袴
近年はさまざまなカラーや柄の袴が登場しており、選択の自由度が高まっています。袴を選ぶときは、着物との配色のバランスを考えましょう。基本的に同系統の色の袴を選択すれば間違いありませんが、より強いインパクトを求める場合は、捕色の関係にある色の袴を選ぶのもおすすめです。
また、着物の色だけでなく柄にも気を配りましょう。着物が大柄なら袴はシンプルで主張しすぎない単色の袴、小柄であればグラデーションが鮮やかなぼかし袴などを組み合わせると、着物と袴が美しく調和します。
帯
帯は袴の着付けの際、帯に袴の紐を巻き付けて固定する役割を担う、とても重要なアイテムです。また、帯は袴から見える存在のため、全体のアクセントとなる差し色を意識して選択するとよりオシャレな着こなしができます。
基本的には、統一感も出しやすいため着物と同じ系統の色や柄の帯を選ぶのがおすすめです。着物を着慣れている場合は、あえて捕色の関係にある色の帯を選択するのもよいでしょう。ただし、色選びを間違えるとチグハグな印象を見る人に与えてしまいます。
草履(またはブーツ)
袴に合わせる靴は、草履とブーツが定番です。草履はどんな柄の着物や袴にも合うため、自分好みの着物や袴を自由に選択できます。また、脱ぎやすく履きやすいため、トイレや着替えなど、靴を脱ぐ場面でも安心です。
一方のブーツは、草履と違って履く機会が多いため、靴擦れを起こしにくいという利点があります。また、大正時代の女学生を彷彿とさせるレトロで可愛らしいハイカラさんスタイルを楽しめるのも、ブーツと袴を組み合わせる大きなメリットです。
足袋(またはタイツ)
草履を履く場合は足袋を、ブーツを履く場合はタイツを用意する必要があります。足袋を履き慣れていない人は、伸縮性のあるテトロンブロード足袋、もしくは綿足袋を選択するのがおすすめです。色は白を選ぶのが無難ですが、汚れが目立つため会場に到着するまでは足袋カバーを使用するなどして、汚れの対策を行いましょう。
タイツを着用する際は、袴から見えたときに違和感のない色を選択しましょう。基本的には無地の黒、または白を選べば間違いありません。
巾着
袴を着て荷物を持ち運ぶにあたって、カバン選びに悩む人は少なくありません。近年は和装用のカバンも登場していますが、着物と調和しやすい巾着がおすすめです。
巾着は着物や袴の色に合わせて選ぶと、全体のコーディネートに統一感が生まれます。また、巾着はサイズが小さい方が和装の上品な雰囲気にマッチしやすいです。ただし、卒業式では式典後に記念品を渡されるケースが多いため、大きめの荷物を入れられるサブバッグも用意しておきましょう。
髪飾り
髪飾りも袴やヘアスタイルによって、雰囲気に合うものとそうでないものがあります。定番の髪飾りはつまみ細工で、素材に絹が使われている品も多く、品格が感じられるため卒業式などの式典にもぴったりです。
昭和レトロな雰囲気を楽しみたい場合は、大きめのリボンを選択してみましょう。ハーフアップにして結び目にリボンをつければ、大正時代を思わせるハイカラさんスタイルが完成します。また、ヘッドドレスや帽子は個性を出したい人におすすめのアイテムです。
着付け小物一式も必須
着付けをするためには、着付け小物一式も必須です。順番に必要なアイテムをチェックしていきましょう。
肌着
着物を着るにあたって、肌着の着用が必須です。肌着を着ていない状態で着物や袴を身につけると、着物や袴が汗を吸ってしまい生地が痛んでしまいます。
着物を着用する際は、肌襦袢を肌着として使用するのが一般的です。もし肌襦袢がなければ、普段使用している肌着を活用しても問題ありません。その場合は、着物の袖から肌着が見えるのを防ぐためにも、半袖や七分袖の肌着を着た方がよいでしょう。
長襦袢
長襦袢は袴用の肌着の1つで、肌着の上から着用します。長襦袢は汗から着物を守る以外に、防寒の役割も果たしてくれる存在です。
長襦袢は大きすぎると着物からはみ出してしまい、とても不恰好になってしまいます。また、着付けのときもたるみやすくなるため、サイズ選びには注意してください。基本的には着物のサイズに対して、やや小さいものを選択すれば問題ありません。
衿芯
長襦袢の襟に使用する衿芯は、着物を美しく着るために必要なアイテムです。衿芯がない長襦袢は襟元が整わず、だらしなく見えてしまいます。衿芯には透明タイプやメッシュタイプなど、さまざまな種類が存在しているため、自分に合っているものを選択しましょう。
腰紐
腰紐は、着物の着付けの際に腰を締めるために使用する道具で、腰帯とも呼ばれます。腰紐の、素材は締めやすく崩れにくいものを選ぶのがおすすめです。
着物に慣れていない初心者の場合は、しなやかで締めやすく、かつ緩みにくいモスリンの腰紐がよいでしょう。モスリン以外にも正絹や綿、麻、ポリエステルなどさまざまな素材で作られた腰紐があります。
伊達締め
伊達締めは着崩れを防ぐために着物、そして長襦袢の上から巻く道具です。着付けの際は、2本あれば問題ありません。
伊達締めは素材によって使用感が異なります。たとえば、ポリエステル素材のものは肌触りが滑らかで、正絹のものはしっかりした締まり心地です。好みや予算によってどの伊達締めを使用するか決めましょう。
補正用タオル
着付けにおいて、タオルは必需品です。着物を美しく着こなすためには、身体の凹凸をできるだけ減らさなくてはなりません。そのため、胸元や腰回りにタオルを使用して体型を補正します。
タオルは、薄手で柔らかい素材のものが理想です。また、枚数は最低でも5枚は用意しましょう。
まとめ
以上、袴レンタルの際に必要なアイテムについてまとめてみました。袴をレンタルするためには、さまざまな道具を揃える必要があります。しかし、それらはすべて袴を美しく着こなすために必須の存在です。
袴を着用する機会は人生でも多くはありません。本記事を参考に、しっかりと準備を行って素敵な袴姿を披露できるように頑張ってください。