女子学生が卒業式に袴を着用するのが定番となっていますが、今の時代は日本の文化が見直されています。もともと袴も大正時代に女子学生が着用していたもので、その時代のものをアレンジして着こなすのも魅力の一つです。今回はレトロな袴に焦点を当て、着こなしのポイントを探っていきましょう。
レトロって何?レトロのはじまりについて
最近、昭和レトロやレトロブームという言葉をよく耳にします。レトロとは懐古的とか復古調といった意味合いで、どこか懐かしいという気持ちにさせてくれます。レトロブームでアンティークの家具や雑貨などが注目され、なかなか手に入らない高価なものもあります。
着物もレトロが人気を得て、大正時代に着用されていた袴がメジャーになっています。レトロに心惹かれるのは、やはりどこか懐かしいというのがポイントでしょう。ファッションの流行も、めぐりめぐってレトロなデザインが最先端になっていることがよくあります。
袴の歴史
卒業式で袴が主流となっていますが、袴の歴史は古く平安時代には高い身分の女性が身に着け、武家社会では武士の礼服として着用されていました。江戸時代になると女官たちだけが袴を着用していたようで、袴が女学生のスタイルとして完成されたのは、明治30年頃から急速に広まっていったといわれています。
これで一気にレトロに!色・柄の特徴は?
レトロ調とは、どのような色や柄のことをいうのでしょうか?そしてどんな特徴があるのでしょうか?
レトロな色の特徴
レトロの定義を考えてみると、やはり懐かしくて古いものとなります。色の特徴としては、色あせたような色合いのイメージが強いですが、必ずしもそうではありません。
大正時代の女学生が着用していた袴や着物は、原色を使ったものもあります。淡い色やベージュ、ブラウンは定番のレトロ色で、とくにアンティークの家具などに多いです。その時代の流行りの色というのもあるわけで、赤色や緑色といったハッキリとした色のものもレトロ感があります。
袴と着物はセットなので、レトロ感を出すにはうまくコーディネートすることがポイントになります。大正時代の袴姿を再現するのではなく、レトロ感があっても現代風であるというようにアレンジすることが大事です。
レトロな柄の特徴
レトロな柄といえば、幾何学模様や矢羽根柄、市松模様などが挙げられます。幾何学模様はひとつの文様が規則的に配置されたもので、ストライプやドットもその一つです。単調ではありますが、ふんわりしたレトロ感を演出しているのが特徴です。
矢羽根柄はこれぞレトロという感じで、赤矢羽根柄に緑色など濃い色の袴を合わせたスタイルが定番で、少女漫画にも登場するレトロ感満載の袴スタイルです。市松模様は江戸時代に流行した柄で、宮中では有職文様として用いられた伝統的な柄です。シンプルですがさまざまなものに取り入れられ、アレンジ次第で表情が変わるのがおもしろいです。
このようにレトロな柄の着物と袴を合わせることで、大正時代の女子学生のおしゃれ感が見えてきます。
髪型にもこだわってみよう!
レトロ感を出すには、袴や着物だけでなく髪型にもこだわる必要があります。
ショートヘアの場合
ショートヘアを活かしたアレンジにするためすっきり感を出し、大きめの髪飾りでインパクトを与えましょう。髪飾りの色と袴や着物の色を合わせれば、統一感のあるスタイルになります。
ボブヘアの場合
ボブの場合は特別なアレンジはしないで、ボブスタイルを活かしましょう。ショートと同じように大きめのレトロ感のある髪飾りを選び、袴と着物とのコーディネートを楽しみましょう。
ミディアムヘアの場合
髪型はいろいろアレンジできるので、自分好みのスタイルにまとめましょう。編み込みをしたり、サイドだけに髪飾りをつけたりするスタイルも和服にマッチします。髪をアレンジしないでストレートに流すのもレトロ感があり、ヘアアクセで変化をつけることも可能です。
ロングヘア
アレンジが豊富にできるので、事前にヘアスタイルを決めておきましょう。かつてのように結い上げてうなじを見せるのも女性らしいですが、レトロ感を出すには黒髪ストレートというのがしっくりきます。ストレートヘアに大きなリボンの髪飾りをつければ、まさに大正時代の女子学生スタイルになります。
さまざまなアレンジができるので、必要なヘアアクセやヘアピンなどを用意しておきましょう。
まとめ
レトロな袴や着物などの着こなしや色・柄などを見てきましたが、いかがでしたか?ファッションには流行があって、流行についていくのも大変です。けれど十数年前に流行った色やデザインが、現在トレンドになっていることがあります。何かレトロに惹かれるのは必然的なものがあるようで、懐かしい古いものに憧れる人が多い要因なのかもしれません。
成人式に母親の着物を着る人が増えているのも、レトロ感を求めているからでしょう。古いものを現代風にアレンジしながらもレトロ感を残すというのが、レトロな袴や着物を着こなすポイントといえます。そして袴や着物だけでなく髪型や小物にもこだわることで、よりいっそうレトロ感が増すはずです。